佐竹氏-800年の歴史と文化-

水戸市

茨城県の水戸市にあります茨城県立歴史館(入場料610円・高校生以下無料)では令和2年2月8日の土曜日~3月22日の日曜日にかけて、特別展が開催されています。

特別展は
「佐竹氏-800年の歴史と文化-」
と銘打たれています。

戦国時代にも茨城県にあたる”常陸の国”を治めていて茨城にとてもかかわりのある武士でありながら、全国的に歴史を観ると”どうしても目立たない”のが佐竹氏になります。

戦国時代に活躍した佐竹氏としては
佐竹義昭と
佐竹義重になりますが、
歴史の教科書に普通に登場する戦国武将といえば
・天下布武の織田信長
・太閤の豊臣秀吉
・江戸幕府を開いた天下人の徳川家康
・本能寺の変の明智光秀
といったところです。

またほかの武将でも有名どころの
武田信玄や上杉謙信、伊達政宗といったところや
難攻不落の小田原城を持つ北条氏
四国を平定した長曾我部氏や
九州を統一した島津氏あたりが
知られているところです。

目次

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令和元年度特別展佐竹氏-800年の歴史と文化-

”佐竹氏は、古代末から中世の常陸、そして近世の秋田にて、およそ800年の歴史を刻んだ武家です。時代の荒波にもまれ、苦渋の選択を迫られることもありましたが、忍耐と機転で困難を乗り越えました。
同氏は、京都・鎌倉の文化を受け入れて地域に根付かせる一方、地域の天然資源にも着目して金山開発、製塩事業を興しました。また、一族のなかには西日本に移り、その地で新たな歴史を切り拓く者もいました。
今回の特別展では、常陸時代の佐竹氏の歴史的動向を中心に紹介するとともに、佐竹氏が築いた文化的・経済的な基盤、そして秋田移封後の動向の一端を明らかにします。そこから、県民の意識のなかに受け継がれ、地域の誇りとして息づいているその実像に迫ります。”
(令和元年度特別展佐竹氏-800年の歴史と文化-パンフレット内の文章を引用しました)

実際に展示を見学して感じたことといえば、時の権力者とかかわり合いながら常陸の国にて佐竹氏が現代の茨城県の礎を築いたということが分かるようになっていましたね。

ただ、興味としては戦国時代の佐竹氏の全国的な位置づけが気になっていたので今回はそのお話を中心にしていきます。

戦国時代は地理的に苦しかった

戦国時代に常陸の国を治めていたのは、佐竹義昭と佐竹義重の親子が中心になりますね。

しかし時は戦国時代。

佐竹氏の治めている常陸の国は南に難攻不落の小田原城を持つ北条氏、北には独眼竜正宗としても有名な伊達氏が強大な力をもって存在しています。
なので戦力的には佐竹氏が苦しといわざるを得ない状態にあります。

佐竹氏と太閤秀吉との関わり

豊臣秀吉は歴史の教科書にも必ず出てくるような日本史上欠かせない重要人物ですし、農民から関白まで上り詰めたという出世頭でもあります。
そのため豊臣秀吉は小説やドラマなどでも頻繁に取り上げられるばかりでなく、千利休など秀吉と関係が深かった人物も度々物語の題材として登場したりもします。

そんな太閤秀吉に、佐竹氏は高い評価を受けていました。
太閤検地は刀狩とともに有名な秀吉の政策ですが、その検地によって佐竹氏の治める常陸の国の石高が高く評価されたことによって、佐竹氏の大名としての評価も高いものになりました。

そのため前項で上げたような北の伊達氏と南の北条氏の脅威から、佐竹氏は逃れることができたようです。

それにしても、このころから農業王国茨城県の片りんを見せていたことには驚きです。

佐竹氏と天下人家康との関わり

豊臣秀吉の没後に天下分け目の関ケ原の合戦が行われましたが、この時に佐竹氏は中立の立場を取るようにつとめていたようです。
関ケ原の合戦の勝利者は皆さんご存知の通り徳川家康でしたが、その後の江戸時代には”その時の功績”も基準のひとつになって領地が割り振られたように思われます。

なので関ヶ原のときに”味方しなかった”佐竹氏は、徳川家康の命令により常陸の国を離れざるを得なくなりました。
そして現在の秋田県にあたる土地を佐竹氏が治めることになりました。

そんでも佐竹氏は新天地でもシッカリと国を治めていたようで、僕と違って真面目なんだなあと思いました。
(なんだ、そのべたな反応はというご指摘はスルーしますw)

んでも、このときまでの展示を順繰りに見てきていると佐竹氏に愛着がわいてくるような素晴らしい構成になっているので、この家康の件を目にすると
「おのれ家康め」と思ってしまいます(笑)

思ってしまいますが、この時に常陸の国や水戸を徳川家が治めていなければ「水戸黄門」のお話や、徳川斉昭公が主体でできたとされる「偕楽園」がなかったことを思うと、不思議な縁を感じてもしまいますね。

売店でグッズ販売していた

ここまで佐竹氏にフォーカスした展示を見てきたことで元々関心が高かった佐竹氏についての関心がさらに高まったのですが、そうなってくると”この情報についての資料が欲しい”ということになってしまうこともあるようです。

来る前は「佐竹氏について、いくらかの知識が増えればいいや」ぐらいに思っていても、展示を見学すること余計に知りたくなるものだから不思議です。

しかも展示内容が濃い上に量も膨大なので、よっぽど頭の良い人でもない限り”整理した状態”での知識になることは難しいいでしょう。
(展示場内は基本的に撮影禁止ですし、メモの取り方にも制限があります)

だもんで、資料が欲しくなるわけですが、上手いことに出口付近に展示物や説明をまとめた”多少分厚い”しっかりとした本があって、なおかつ購入できるときたもんだ。

そうなると私のような”知識が欲しい人”は別にお金を支払ってでも手に入れておきたくなるもので、2000円しましたが秒速で手に入れることにしました。(税込)

そのほかにも「鬼義重Tシャツ」(税込3600円)なども売店にて販売されていましたが予算の都合上入手できませんでした。

特別展示「佐竹氏」の全体的な感想

今回開催されている令和元年度特別展「佐竹氏-800年の歴史と文化-」の率直な感想としては、いくらか茨城びいきに構成されているなという感想になります。

展示を見学していると、元々佐竹氏に関心があったり茨城県の郷土愛を差し引いても”勝手に”佐竹氏に親近感や愛着がわいてきます。
そのせいでか「おのれ家康め」なんて思っちゃったりもしますが、歴史って”どこからの視点で見るか”でだいぶ印象が変わってしまうことが、うまく説明できないですが体感することができました。

また通常展示も常設されていて、こちらも茨城の歴史についてダイダラボウ伝説なども含めて展示してあるので併せて見学することができるのでお得になります。
そのほかにも”茨城に住んでいても”知らないことがたくさん説明されているので、見ごたえは十分になります。

にしても、階段のところにある(らしい)「佐竹義重の甲冑のレプリカ」が”その日たまたま”出払っていて置いていなかったのが凄く残念に思いました。

あとは「茨城県立歴史館」には”いちょうまつりの時期”にしか訪れていなかったので”外”がにぎわっている印象しかなかったのですが、普通の状態の落ち着いた雰囲気も良く楽しめたことはとてもよかったですね。
普通の公園のように散策してみるのもいいかもしんないですね、この日はいくらか寒かったので散策は避けましたが(笑)

コメント

  1. […] 同時に楽しむことができます。 過去には、常陸の国の戦国大名佐竹氏についての展示がありましたので、興味津々で訪れたことがあります。 (参考記事「佐竹氏-800年の歴史と文化-」) […]

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